ミツバチに最高の環境をつくること

2017.10.07

今日は自宅の敷地内で養生している群れの内、比較的強くなってきている群勢の巣箱を選んでベースに置くことにした。ベースの蜂場はここから45キロ離れていて、丘陵地帯の天辺に有り、その斜面は水はけがよく北向きで日当たりも良い。乾燥しているので雨の多いこの時期は、ミツバチたちにとっては最高の生活環境だ。敷地内には国有林があり、手付かずの原生林が残されている。緩い傾斜地が続き、一番下にはきれいな小川が流れ、乾季になっても枯れることはなく、ミツバチはここの水をよく飲みに来る。
日照りが何日も続く夏季はミツバチにとって飲み水が本当に大事で、これがないと何キロも遠方に水を探しに行き、エネルギーを浪費してしまう。だから養蜂場を作るには水の確保が非常に重要となる。川端には30本を超す枝垂れ柳がある。これは前にも話した通り、春先の冬ごもりを終えたミツバチたちにとって、最初の蜜源植物となる非常に重要な食料である。柳の増やし方は簡単で、水が豊富にあるところ挿し木をしておけば、すぐ発根し芽が出てくるのでありがたい。
ここは敷地も広く年中様々な花が咲いているのでベースとして利用し、マヌカ蜜のシーズン外のミツバチたちはここで過ごすことが多い。この土地を買収する前のオーナーは昔、鹿のファームをやっていて敷地全体を金網で囲っていた。鹿は跳躍力があるので、牧場などのフェンスとはまったく異なったものを作らなければならない。高さは2.5メートルはあるだろう。私はこの網でできた高いフェンスを盗難防止に利用している。とにかく近年は、ニュージーランド産蜂蜜の国際価格が急騰している。

前にも書いたが、当地の養蜂は抗生剤・抗生物質などの薬剤使用が厳格に禁止されている数少ない国で、この事が国際的に当地産ハチミツの人気を呼んでいる。非常に結構なことであるが困ったこともある。巣箱丸ごと盗まれてしまう窃盗事件が、近年後を絶たないのだ。トラックなどに積み込み、計画的に何百箱も盗まれたといったことが報道されている。こうした大掛かりな事件以外にも、最近はドラックが流行し、薬欲しさになんでもしてしまうリスクがある。一番遠方で山奥にある養蜂場の近くには、ちょっと前にマリファナの密栽培で逮捕される騒ぎもあったし、平和な筈の村にも殺人事件が起き、それは全てドラックが原因だった。若い時に南米アマゾンで豹・ヘビ・ワニ・風土病など散々怖い目にあったが、何といっても一番怖いのは人間である。

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