日本で見つけたマヌカの花
マヌカの流蜜期は夏季に多いが、これは各地域によって大きく異なりマヌカ樹木の品種によっても大差がある。ニュージーランドに来てマヌカの花が見たければ、真冬でも咲いている種を見つけることができる。もっとも、山肌が雪に覆われたかのように見事に咲くのはシーズン中であるが、そのシーズンも地域やマヌカ樹木の種類によって異なる。
花の色は白からピンクが多い。中には突然変異種で赤に近いほどの鮮やかなものまである。これらは観賞用の園芸品種として苗が売られているが花蜜の分泌は僅少で、活性度の高いマヌカハニーを得るには白色で花弁が一重のものでなければならない。活性度の高い事で知られるインカナム種の花は純白である。少しでも色付いたピンクの花からは期待薄であり、こうした花の咲くところには巣箱を置いても機能性があるマヌカハニーは採取できない。
以前、故郷の浜松城公園内にあるスターバックスでコーヒーを飲み、近くにある和風デザインの洒落た公衆トイレの花壇に鉢植えで置かれた開花中のマヌカを見つけた。意外な発見に何だかうれしくなった記憶がある。赤色の八重の花であった。品種改良された園芸用が日本でも売られているのだろう。この奇遇に心が潤い、急にニュージーランドへと思いを巡らせた・・・マヌカ林に設けた巣箱で彼女達(ミツバチは女系集団)は達者に暮らしているだろうか。冬の寒さに食料は足りているのだろうか・・・と。猛暑の浜松城公園から、真冬のニュージーランド山中の養蜂場へと気持ちが飛んでしまったことをよく覚えている。
前にもこのブログで話したように、養蜂は分類上畜産業に入る。生き物を飼っているとそこから離れることができないと言うが養蜂も程度の差こそあれ同じで、いつも彼女等の事が気になるのは致し方ないのであろう。大きな気象変動、豪雨、大風などが来るたびに心配になり、養蜂場で元気に彼女等が飛び回っている姿を確認するといつもホッとするのだ。これは、牛・羊飼いなども全く同じ心境のようだ。