弊社のマヌカハニーが出来るまで

マヌカの流蜜期も終わりに近づき巣箱は4段重ねが多くなり、どの巣枠(フレーム)も全面が蜜で満たされてきた。そして大方のフレームは蜜蓋されたものが目立つようになる。蜜蓋された蜜を完熟蜂蜜と言う。その濃度は80%以上で、水分は20%以内となる。ここまで高い糖度では酵母などが増殖できず、また他の微生物類も高い浸透圧によって生存できなくなってしまう。フレーム全面がミツバチの胸腺から分泌されるワックスで蜜蓋されたものは、ミツバチがこれで貯蜜できると判断したことになる。マヌカハニーについてはマヌカ樹木の花蜜を運んでくるが、この時点では水分が多く保存ができない。発酵して酒になってしまうからだ。花蜜の糖分が酵母などの餌となって発酵してしまうと、ミツバチは糖分を利用できずエネルギー源として利用できなくなるわけだ。花蜜自体は2糖類であるが、ミツバチの唾液腺から分泌される酵素によってブドウ糖と果糖の単糖類に分解される。単糖状態の蜜はこれ以上分解しないのでミツバチにとっても即エネルギーとして使えるスーパーフードでもあり、他にも多くの栄養素が豊富に含まれている。
水分の多い花蜜をどのようにして濃縮していくかだが、外勤蜂から受け取った花蜜を内勤蜂によって羽ばたきで発生させた羽風と体温をもって水を飛ばしてゆく、このエネルギー源はやはり花蜜が由来する。通常フレームに蓄えられた蜂蜜は全面蜜蓋されたものを100%とした場合、この画像のように70%程度蓋をされれば完熟蜂蜜として遠心分離器で離蜜される。しかし私のところでは100%の蜜蓋が絶対条件である。その後もなお、追熟するために巣箱内の環境で一定期間安置しておく。ここから先の話はシークレットでもあり、どのように製品化してゆくかは長年のノウハウであるので公表はできない。
弊社製品が顧客様から高いご支持を頂けるのは、時間をかけてミツバチに託した生産方法を採っているからだとしか言えない。生産に要する時間と製品の品位が反比例するのは良品を提供するうえで致し方ない事であり、普通売られているマヌカハニーはそこまでやらない。因みにスーパーなどで売られている甘味料としてのハチミツは、蜜蓋が全くされていない状態で加熱して強制的に水分を取り除く。こうなるともうハチミツではない。人間の手が加わると折角の天然産品がダメになってしまうのだ。

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