除草機の試作

養蜂場内では様々なところにまとめて1か所平均30巣箱(30群)程度を展開しているが、これらは全てマヌカ樹木の自生林の中である。特に冬場は雨が多く日も弱いので、周囲のマヌカ樹木を開墾し巣箱の設置場所としている。風通しと日当たりが悪いのはミツバチの生活環境ではなく、巣箱内の温度環境の低下と湿気は大敵で、ミツバチの免疫力低下となり疫病の発生原因になる。
開墾する段階でマヌカ樹木の種子が大量に落ちるため、それらはすぐ再生林となり、いくら切り開いてもマヌカ樹木は枯渇するどころか林内の更新に繋がる。それよりも早く芽を出す成長の早い雑草類の除草が大切だ。これに覆われてしまった巣箱は風通しが悪く、ミツバチの出入り口である巣門付近の除草を常にこまめにやっておかないと蜂たちの出入りに影響する。こちらでも日本の農家と同じように、小型エンジン付きの刈払機で除草することになるが、これが結構な仕事となる。生えた草を刈りとってもすぐに新芽が出て成長する。そのたびに定期的にやらなければならず、雑草を除草鍬で根ごと取り去ってしまえば除草のサイクルが少なくて済む。しかし鍬での長時間の除草は結構な重労働だ。何か良い方法がないものかと考えた挙句、まだ芽が出始めた雑草を根ごと取り除きできるよう刈払機を利用して改造を加えることにした。

通常、刈払機は高速回転する軸に丸鋸刃やナイロンラインが取り付けてある。これらを回転させ、地面すれすれに左右扇状に動かすことによって根元から雑草を刈り払うことになる。この回転軸に丈夫な鉄板を取り付ける。その左右の先端近くに穴をあけて10㎜径、長さ5cmほどのボルトを左右2本通してナットでしっかり固定する。早速実験してみた。高速回転で回る刈払機に取り付けた2本のボルトを砂の中に入れると、ものすごい土煙をあげて引っ掻き回すように雑草の芽が根元から吹き飛ばされる。しかしガイドがないので、もろに体に当たり小石なども吹き飛んできて非常に危険だ。でも実験結果は満足するものであったので、薄手の鉄板を切って溶接してガイドバーを作り、前方だけに飛び散ってこちらには飛んでこぬように更に手を加えたく思う。
日本の顧客様からの質問などの対応を優先する必要があり除草作業は片手間のため思うように時間が取れないが、これを完成させればかなり能率が上がると思っている。DIYの魅力は何といっても己のアイデアが思い通りに首尾よく行くかのワクワク感が何とも言えないのである。

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