薬剤耐性菌(AMR)について・後編

(前回のつづき)これらの抗菌薬の作用機序は人体には無い部位や、あっても構造が異なるところに作用点を置いているので人畜無害などとされている。しかしそれは大きな間違いであると思う。ヒトの腸管には身体の全細胞60兆個よりはるかに多くの、それこそ天文学的数字に上る100兆-1000兆個の様々な菌類が生息し、その総重量は2kgに及ぶ。排せつ物重量の3分の1は菌類であると言われている。生息する菌類の総重量2kgとは生後4カ月頃の猫を腹の中で1匹飼っているようなものなのだ。食べ物はこれらの菌類によって化学変化し分解され、腸壁から栄養素として吸収されている。これは極めて重要な機関であり、こうした腸内フローラ(腸内の微生物生態系)はヒトの健康にとって必要不可欠そのものである。抗生剤・抗生物質をはじめとする抗菌薬は、腸内細菌にもお構いなく広域な微生物集団に攻撃を仕掛けてしまう。人畜無害などとはとんでもない話なのだ。
少し前は人体の免疫機構はその30%が腸管に集結しているとも言われていたが、最近の研究では70%以上ではないかとも示唆されている。私はプロポリスはブラジルに暮らした40年前から、そしてニュージーランドに移り住んでからはマヌカハニーを25年間提供してきた。この間、顧客様からは様々なご相談やご報告を頂いてきた。その帰結として、人間(ペットなども含む)の健康は腸管内の微生物生態系によって決定され、ここが健常であれば、まず病気などにはならないと確信に至っているのである。そして蜂産品は恒常性を維持するための唯一確実性のある産品と実感し、できるだけ多くの顧客様に生産品をご利用いただき、日々の健康に役立てていただければ、それは正に蜂飼い冥利に尽きるのである。

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