特に安価なハチミツは

一般に市販されている安物ハチミツは、百歩譲ってもとてもハチミツとは言えない。脱水・脱色・脱臭・不純物の除去から着色まで、様々に手を加えられた大量生産品は確かにどれをとっても一様に綺麗で、陳列棚には美しい商品が並ぶ。
まず脱水について。水分の多い蜜はそのままにしておくと糖分が菌類の餌となって発酵がはじまり糖度がなくなってしまうが、ミツバチはこの事を熟知しているので、自身の体温で羽風を作って水分を飛ばすことに一生懸命だ。シーズンになるとどこの巣箱からもその羽音が聞こえる。その目的は越冬するための食料としてで、発酵して来たらエネルギー源の糖分が下がってしまうので困るからだ。こうして糖度80%まで上昇し蜜蓋されて、完熟蜂蜜は如何なる菌類もここでは生存できない。商業的養蜂(?)は、ミツバチによる脱水などは時間がかかりとても採算が取れないので、まだ水っぽい蜜でも関係なく収穫し加熱して脱水する。
脱臭については食品工業上均一化が求められるからで、これは脱色も同じ。香りなども後からエッセンスで付けることも有る。それから不純物、これは花粉が多いのだが、これが結晶母核となって様々な結晶が生まれ商品自体の見てくれや味・粘度がバラバラになってきてしまうからだ。
ハチミツは産地や自然環境、植物起源によって全て色が異なる。色んなハチミツを混ぜるとあまり美味そうな色にならないときは着色という手がある。

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