ミツバチヘキイタダニの生態

(前回の続き)この殺虫剤にミツバチが触れると、その成分が身体に付き巣箱全体に運ばれてゆくことになる。これは通常3~5週間以内で除去しなくてはならない。ダニがこの殺虫剤に抵抗性を獲得するきらいがあるからだ。このようにして耐性を獲得する前に作用機序(殺虫のメカニズム)がそれぞ異なった物を臨機応変に使い回してゆくことになるが、ダニの方も生存がかかっているので完全除虫は至難の業である。また、この害虫によって媒介される様々なウイルス性疾患などが巣箱内で広がることがあるので油断は禁物である。ニュージーランドには元来このダニはいなかったが、この10余年で侵入してきておりその経路は不明である。東洋ミツバチから始まり、シベリアから西洋ミツバチに伝播されていったといわれているが詳しくは不明である。 
このダニは最初、蜂の成虫に寄生して体液を吸っているが、巣箱内で成虫から離れて幼虫にとりつきそこで産卵を始めて増えてゆく。傾向として特に雄蜂の幼虫にアタックする。そして巣房内で交尾をし雄ダニは死を迎える、この点ではミツバチの雄と同じである。巣房で産卵し成長したダニは巣房内から成虫となったミツバチにとりつき、一緒に出てきてはミツバチの体液を吸って生活し、産卵できるようになるとやがて離れてにミツバチの幼虫巣房に入り込むといったサイクルである。従ってこの害虫は巣箱内で一生を送りその寿命は雌の場合、2か月程度とされている。一方で体液を吸われたミツバチは、生育不良となるほかに様々なダニ由来の感染症を引き起こす、正にミツバチにとって天敵であると同時に蜂飼いにとっては毎シーズン悩みの種でもある。

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