量産品のハチミツの現状

前々回にフレーム(巣枠)が全面蜜蓋された完熟蜂蜜の事を少し話したが、商業的養蜂についてはこのような悠長な事は一般的にやらない。同じハチミツとして販売されている製品でもそれは随分と格差がある。通常、スーパーなどで売られている安いものは全てといっても良いほど中国産で、どれもまったく同じような色をし、容器を透かして見ると向こうの景色がハッキリ見えるものばかりだ。こうした製品はもうハチミツとは言い難いものである。
それは大雑把に言うと、ミツバチが集めてきた蜜を完熟するまで待たずに、まだフレームが蜜蓋されず水分が多いうちに遠心分離によって離蜜してしまう。糖度が低い為、このままでは発酵して酒になってしまうので強制的に熱を加えて水分を飛ばす。これをフィルターにかけ、含有される花粉など不純物を完全に濾過してしまう。クセの強い蜜などは脱臭・脱色までしてそれぞれのロットを加熱・ブレンドし、色や香り、粘度などを統一したものに作り替える。
極端な場合は砂糖に酸を混ぜ加熱した液状糖の異性化糖を増量剤として使う。ハチミツと同じ単糖状態の異性化糖は増量に都合が良いからだ。こうして均一化された製品がハチミツとして販売されている。弊社の蜂蜜とは月とスッポン程の違いがあるのだが、こうした製品が大手を振って中には天然ハチミツなどとラベルが付けられ売られているのだから開いた口が塞がらない。

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