第一次産品のハチミツとは

ストロングマヌカハニー

最近は少なくなったが、顧客様の質問でよく安物のハチミツには水アメで増量されているので要注意などと仰る方がおられる。だいたい年配の方が多い。砂糖が貴重品であった終戦後は確かにそのようなことはあっても不思議ではないし、そうしたハチミツ?が売られもしていただろう。

マヌカハニーを販売し始めた足掛け25年前の話だが、「ハチミツによっては粘度や結晶状態が異なるので、同じ花からの蜜でも製造方法が違うのでしょうか?」といったお問い合わせが顧客様からよくあった。このことについて、”製造” と言う定義は非常に難しいと思うし、弊社の扱う蜂蜜はむしろ生鮮食品と同じく完全な第一次産品である。スーパーなどにある比較的安い蜂蜜は私共が扱う生蜂蜜とは同じ蜂蜜でも大きく異なり、それらはほとんど全てと言ってよいほど加工処理が行われている。これらの品は大部分が中国をはじめ外国産の蜂蜜だといっても過言ではない。この中でも色々なものがあり、その特徴は製品の統一化を図るために様々な処理が施されている。
どのようなものが添加されるかは各社のノウハウだが、一般的には ”転化糖” と呼ばれる蔗糖(砂糖)の一部、もしくはトウモロコシなどのでんぷんを加水分解した “異性化糖” で、これに蔗糖液と酸を加えて加熱するとブドウ糖と果糖に転化分解する。この二種の糖は単糖状態からなるため蜂蜜の増量には都合がよく、蜂蜜は当時の法律で20%までの増量は表示の義務がないため、”純粋蜂蜜” などと表示が可能となる。だが実際には20%どころか、明らかにそれ以上の添加物の割合が多く ”純粋蜂蜜” などとラベルが貼られて売られることが多かった。
またこうした蜂蜜の多くは生産量を上げる為、完熟蜜(働き蜂が持ち帰った水分が多い花蜜を、巣箱内にいる内勤蜂が羽ばたきにより80~85%以上の糖分濃度に引き上げ蜜蓋されたもの)になるまで待たず、人工的加熱で水分を強制蒸散させ糖度を上げたものなどがほとんどだ。
このように生産され集められた蜜は、日本独特の商業ベースに合致した商品を作る為、脱臭、脱色、添加物の投入など多くの加工が施される。こうして作られた工業製品としての蜂蜜と、当社が扱う生蜂蜜とは根本的に異なる。加工蜂蜜の第二次産品に対し弊社製品は第一次産品、つまり加工されていない天然の蜂蜜で、当時の顧客様の感想として「スーパーなどの蜂蜜とあまりにも別物なので、お宅が偽物ではないか?」といった質問まで承ったこともあった。その当時のことを思い出すと、今世代の顧客様は本当に豊かな味覚を持っていると思う。そして ”水あめハチミツ?” を涼しい顔で売っていた大手の蜂蜜製造業者は、勿論何の反省もしていないだろう。その延長線上に、今でも ”マヌカハニー” と称して性懲りもなく加熱・加工されたブレンドハチミツを売っているケースが多い。

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