昆虫とハーブの関係

前回は、ミツバチや花粉媒介昆虫は好んで薬草やハーブへの訪花をすることを話した。その理由として、ハーブや薬草類の成分には殺菌作用や忌避作用(植物の香りにより、虫や鳥を避け、苦味により植物が食べられることを防ぐ働きのこと)があるので、ミツバチたちはこの作用を利用していると思われる。巣箱の中はミツバチの体温でいつも最適な生活環境を作り出している。貯蜜・花粉・ローヤルゼリー・蜜蝋など、大小の野生動物や昆虫類から見ればそれこそ宝の山である。とりわけ自然環境の厳しい冬季には、巣箱内は生きて行くには願ってもないパラダイスである。
ミツバチはこうした外敵の害からは生存上、どんなことがあっても身を守らなければ死活問題となってくる。アリ・ダニ・クモ・ゴキブリ・大小の野生動物や、カビなどの微生物もあげたらきりがない。こうした多くの問題に確実に対処しなければならなく、数千万年の間に生き抜いてきた知恵を駆使して対抗しているのである。プロポリスなども、巣箱内の微生物の増殖防止に殺菌作用の強い植物樹液と自らの唾液中の酵素を反応させ、どの樹木の樹液が最も効果的であるかは遺伝的にしっかりと知っている。
よく私は庭の手入れが長引き、夕暮れになると藪蚊に悩まされるので虫よけを肌の露出する部分にスプレーする。化学薬剤の入ったものは嫌いなのでオーガニックの虫よけスプレーを利用している。その匂いはタイレストランでよく嗅ぐ匂いだと思い成分を見ると、レモングラスが主成分と書いてあった。これを肌に吹きかけると蚊などはまず寄ってこないので重宝している。また倉庫などで一時的にハチミツの入った巣枠を保管する時は、ニッキの粉末をばら撒いておくとアリやネズミが近寄らない。ニッキはハーブのシナモンと同じでクスノキの樹皮から作られる。その他、ミツバチの天敵のヘキイタダニにはやはりハーブが利用される。私は石油製品などは使わないので、タイムや除虫菊などハーブや薬草由来の製品を利用している。薬剤はやはりミツバチにもダメージを与え、第一にその成分が蜂蜜に影響することを考えるととても利用はできない。

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