Fresh raw royal jelly

このところ気温が急に上がり出し色々な花が咲き出した。ミツバチたちにも活性が出てきて、巣箱の周りを旋回する蜂が日増しに多くなる。こうなってくると蜂飼いの仕事量もおのずと多くなる。何といっても分蜂防止のため巣箱の内検は欠かすことが出来なくなり、毎旬ながら翻弄される。ちょっと油断をすると新しい女王が出てきて巣別れをするし、これをやられると打撃になる。そうならないためにも、働き蜂が女王を誕生させる前に駆除しなければならない。一枚一枚、巣枠を取り出して女王王台(Queen cell)の除去をしなければならない。この王台の中には、ローヤルゼリーと女王になる幼虫がいる。これを潰してしまう訳だが、時間があるときは潰さず綺麗に取り除き、容器に入れて持ち帰り健康増進に利用する。非常に新鮮だ。作業中にこれを食べながら仕事をするとまるで疲れが出ないのが不思議である。蜂が入らないように綿布の一部を少しだけ開けて、ハイブツール(養蜂の必需道具)で取り除いた王台を口に放り込む、独特な酸味とミルキーな風味が口いっぱいに広がり、私はこの味が大変好きでよく食す。これをするとしないとでは大違いで、帰路の車の運転が非常に楽なのである。
生ローヤルゼリーには覚醒作用もあるように思えるし、決して眠くならないどころか頭が非常に冴えてくるのが不思議だ。今回は家内が少し打ち身をして肩を痛めているので、持ち帰った Queen cell を食べさせることにしている。これを食べると痛みが引くらしく鎮痛作用もあるようだ。ローヤルゼリーとは全く不思議な物質で、若い働き蜂が花粉を食べ胸腺からローヤルゼリーを分泌する。これを幼虫に与えると卵巣が異常に発達して女王蜂となり、毎日自分の体重に匹敵する卵を産む。そしてその寿命も働き蜂の数カ月に比べ3~4年も長い。食べ物の違いでこれだけ異なった変化をする生き物はまずない。このローヤルゼリーについては学術的にも全く分かっておらず、分析してもそこいらにあるような物資で成り立ち、何が女王蜂に変えてゆくのかその成分が全く分からない。このメカニズムを発見したものは即、ノーベル賞受賞だと言われている。

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