マヌカハニー生産現場の現実・1

マヌカハニーの蜜源であるマヌカ樹木の事だが、この木が群生しているところには必ずと言っても良いほどカヌカ木も共存している。
出来るだけマヌカ木の群棲濃度が高いところに巣箱を設置するのは言うまでもない事だが、どうしてもカヌカ蜜も入ってしまう事は免れない。カヌカの開花はマヌカより少し遅れるが、シーズンによっては早く咲くこともある。この二者の味・色調・香りなどは大差がない。ひいて言えば、カヌカの香りはマヌカに比べ若干マイルドである。この蜜も業界では人気がある。それはマヌカハニーとして売ったり、マヌカ蜜の増量用として使われるのである。

この蜜はマヌカと異なり特有成分のメチルグリオキサール(MGO)が含有されないので活性度が期待できない。従ってマヌカ蜜に増量用として使われれば使っただけ活性度が低下してしまう。昨今、世界的なマヌカハニーブームで様々な国からの引き合いやそのバイヤーが押し寄せている。とりわけ中国・シンガポールなどの富裕層向けに ”マヌカハニー” と名が付けば即金で買い取ってゆく。このような状態は生産者へも影響が大きく、色んな蜜がマヌカハニーと称して売られているのが現状だ。
MPI(第一次産品省 ← 旧農務省)は神経質になっている。この国は工業政策を放棄した農業国であるから、蜂蜜の紛い物が流通すると他の産物の信頼性まで影響するからだ。(続く)

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