マヌカハニーの採取現場へ向かう日々

2017.10.02

急に暖かくなってきたので、平日ではあるがベースにある強群の巣箱を選り抜き蜂場に設置してきた。少し前にも書いた様に、蜂場へ向かう途中の登坂で、材木を切り出し丸太を満載にした長いトレーラー牽引車がノロノロと進むので追い越しが大変だ。こちらもトレーラーを牽引している為、全長7メートル以上ある。当地の田舎道は文字通り山越え、谷超え、カーブの連続なのだ。どうしてもリスクが伴い慎重になる。
ほとんどのマヌカは既に大量に蕾(つぼみ)を付け、開花は早咲き種で2割は咲出している。いつ見てもマヌカの純白の小さな花は清純で美しく、またシーズンの始まりを教えてくれる。私は二、三分咲きが一番好きだ。マヌカの自然林に開いた地に、巣門(巣箱のミツバチの入り口)を北向きにして置く。こちらは南半球なので日本とは南北が逆で、北向きが日当たりが良いし住宅も南向きには誰も建てない。
先々週に設置したハチたちが、盛んにマヌカの花蜜に群がり忙しく採蜜しているのを見て「頑張れよ! 今年も頼むぞ!」という気持ちになる。やはり、蜂飼いは自分が放つミツバチが元気よく活動する姿を見るのが嬉しくて、同時に自然との一体感を感じずにはいられない。
 
この養蜂場の建設初期は、蜂場までの道が悪くて本当に苦労したものだ。2キロ手前でトラックのタイヤが泥濘(ぬかるみ)にはまって動けなくなり、背中に巣箱を担いで3人で往復し暗くなるまで十回近く運んだものだ。この文明が進んだ時代に実に原始的な事であったが、結局はそうせざるを得なかった。その時は新しい巣箱の補給であったので、空箱だったからまだ良かった。でも何でもそうだろうと思うが、何か一つ成就させるのに実に馬鹿らしく、くだらないと思われることから始めるのはよくある話である。
ソニーの最初の製品が、実にLow Techの木製の炊飯器であったとのこと、結局は失敗作で全然売れなかったとのこと。でも肝心な事は、そこで諦めない粘り根性だと思っている。成功するまでやれば失敗はないのだ。
しかし自然はあまりにも相手が大きいので、どうしようもないことが一杯ある。

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