内検作業での油断

今日も現場の点検に行った。養蜂場での作業はまずオーバーオールに着替え、覆面布を付け、手袋・ブーツで完全にミツバチの攻撃から身を守る。蜂飼いだから少しくらい刺されても平気だろうという安易な気持ちは禁物で、何回も刺されているとある日突然ショックに襲われて命取りになることさえある。これは養蜂家に非常に多く、以前にもこのブログで書いたが私も救急車で運ばれ入院した経験がある。様々な反応試験の結果、ミツバチ毒によるアナフィラキシーショックであることが確認された。

内検作業であるが、まず最初に燻煙器に枯草を詰めて点火。背後に装着したふいごで送風し、安定して煙が発生するようになったら各群れの巣箱の底板に取り付けた(ミツバチの天敵のダニを落とす)網目から煙を送り込む。積み重ねた巣箱全体に煙が充満するが、ミツバチはこの異変に遭遇すると、逃亡の準備として貯蜜してある蜜を自身の蜜胃と呼ばれる蜜嚢に取り込み非常事態に備えるので、急に群れ全体がおとなしくなる。この習性を利用して一時的にミツバチを落ち着かせる。
この作業は巣箱を開ける少し前に行い、静かになってからもう一度煙を掛けて内検作業に入るのが常で、これを怠るとミツバチが暴れ回り作業が非常にやり難い。先日は目的とする群れの点検が終わったので燻煙器の火を消し、夏場は乾燥で枯草が多いので消火は念には念を入れて完全に行う。が、うっかりして内検を要する群れがまだ2箱(2群)あることに気が付き、消してしまった燻煙器を再度点火するのも面倒なので燻煙なしで作業を始めた。案の定大変な暴れようで、まるでフロリダのデイトナビーチで行われる自動車レースのような羽音を立て、とうとうちょっとした面布の隙間から侵入されて首を2か所刺されてしまった。正に油断からの出来事だ。こうした場合、私は持参しているアルコールで抽出したプロポリス溶液を患部に塗るのが常で、これはできるだけ早くやった方が効果的だ。これをするとしないのでは痛みや後になっての腫れ、蜂毒によるアレルギー反応が少なくて済む。これは私だけがその様に感じているだけかもしれないが、事後の反応が確かに軽く済むのでこうした時の習慣になっている。プロポリス抽出液は勿論、我が家の必需品でペットなども含む様々なシーンに利用し本当に助けられている。マヌカハニーとの混合・併用については一層の頼りとなる。これは少なくとも4000万年以上の生存歴史があるミツバチが、様々な状態においてこれらの物質が混合されても決して負の方向に変化しないように、気が遠くなるほど途轍もなく長い生存歴史においての帰結であると考えるしかないのである。

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