マヌカハニーを集めるミツバチたち

蜂場はマヌカの自生林を30m四方に切り開き、日当たりと風通しを良くして各所に25箱、見当で巣箱を設置してある。これはミツバチの感染症予防と天敵ダニを防ぐ目的からだ。また一か所に集中して置くと蜂の数が多くなり、彼女たちはどうしても遠くまで採蜜に出かけなければならず、収量に影響するからだ。ミツバチは巣箱から2kmまでが行動半径とされているが、出来るだけ巣箱のすぐ前に蜜源がある事に越したことはない。遠くに行けばそれだけ往復にエネルギーを要し負担が大きく、大切な蜜がそのエネルギーに浪費されてしまう。また25箱程度の設置が最も管理しやすく思う。ミツバチは流蜜期にはそれぞれが活発に活動し強い群れができるが、それでも全てがそうであるとは限らない。巣別れ等によって弱くなることも有る。

シーズンが終わり花蜜が少なくなってくると、どうしても強群の巣箱からの盗蜜がはじまり、弱い群れが被害を蒙る。収穫は通常フレーム(巣枠)に1/3が蜜蓋され糖度が80%程度になると取り出されるが、私のところは全面が蜜蓋されてもしばらくは熟成期間を置き完熟蜜となるのを待つ、この期間は各シーズンによって様々だ。ハチミツの保存は、何といってもミツバチによって作り出される巣箱内の環境が最も良いと考えている。それはこの世に花をつけ、種子を生じる顕花植物が生まれ同時に出現したと言われるミツバチ、4000万年前の琥珀中に発見されたミツバチの歴史の前にはとても反論などする余地はないのである。

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