予感的中!

オーストラリア大陸から大きな高気圧が来てこの処、天気が安定している。昨日までは春風が強く吹いていたのだが、とりわけ今日は静かで温暖な日である。こういう日は多分何か起こるだろうと朝から気にはなっていたが、まさにその予感が的中したのである。そう、ミツバチの分蜂といわれる巣別れが起こったのだ。
巣箱の近くにあるブドウ棚に分蜂群が大きな塊となって垂れ下がり、沢山の蜂が一丸となって蜂球を作っている。早くしないと逃亡してしまうので、素早く空の巣箱を用意して蜂球の真下に固定し、蜂がぶら下がっているブドウの枝にショックを与えて振り落とすのである。バッサリと落下した放球の中にはまず女王蜂が入っているので、これを飼育すれば一群ができるのである。

確か以前にも分蜂の話はしたと思うが、巣箱内が貯蜜や幼虫で一杯になってくると蜂は巣別れの準備をする。新女王蜂を作る為に、王台(Queen Cell)つまり女王が育つ巣房を作り、幼虫にローヤルゼリーを与えて女王に生育する段階で、旧女王は巣箱内にいる半分近い配下の蜂を引き連れ新居に移るために巣箱を去る。この時に必ずといってもよいほど、巣箱近くにある低木などに一旦留まる習性がある。これを捕らえて飼育すれば一群増やすことに成功する。とりわけ分蜂群は捕獲すれば、ほとんどそのまま巣箱に留まり順調に蜂群を増やしてくれるし、この群れは何とか一群として成り立つため、独立群として懸命に自立してゆくので非常に強い群れに育つことが多い。
人工的に女王蜂を作り出して群れを増やすこともできるが、自然にできた分蜂群の方が数段、群勢が強いようだ。かといって分蜂ばかりしていると、群れ全体が弱くなってしまうので内検を怠ってはならず、Queen Cell を作り出したら取り除かなければならないが、かなり注意をしていても今回のような事はよく起こる。幸いにも発見が早かったので今回はラッキーであった。温暖で無風の春日は要注意なのである。

因みに、落下した蜂球の中に女王蜂がいないときは巣箱に配下の蜂が素直に入ってゆかずに周囲を飛び廻り女王蜂の周囲に再集結するので、同じことを再度やって収容する。早くしないとあらかじめ偵察部隊によって見つけた新居に向かって飛び立ってしまうので、この作業は迅速さを要する。巣箱に収容するとやれやれである。後は通常に飼育すれば特に問題はないし、分蜂の時期は蜜源が豊富だから自然と一群が完成していく。分蜂群が出た元の巣には新女王ができ、交尾後に産卵が始まり通常の一群として育ってゆく。

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