スズメバチとの闘い

2017.10.06

今日は日曜なのだが、天気がすぐれず、南風で南極方面からの寒気が入り込み急に寒さがぶり返した。前にも書いたが、こちらは南半球の為、日本とは逆で南から寒さがやってくる。活性の弱い蜂群は、急激な温度低下には本当に気を付けて、保温ができるようにサポートしてやらないと寒さで弱ってしまう。このところ温暖な気象が続いたので風防用のカバーを取り除いていたが、慌てて倉庫から取り出し巣箱全体を覆うように被せた。
寒い日の蜂たちは女王を中心に蜂球を作り、塊となってお互いを温めて寒さをしのぐのだ。その際の熱源は何といっても蜜中に含まれるグリコースである。従ってこの時期はつい油断して貯蔵蜜の点検をせず、蜂を弱らせてしまう事が多い。安定した春の訪れが来るまでは決して気が抜けないので、群勢の弱い群れは常に身近において様子を見なければならない。
群勢の強弱によって、その手間は大きく違ってくる。弱い群れは病気発生や天敵のリスクが常に付きまとう。やはり免疫力が低下すると防御力が弱くなる。外敵として筆頭に挙げられるのがスズメバチで、これには常にミツバチも集団で立ち向かう。しかし弱い群れはそうもゆかず、また敵も良く知っていて弱い巣に集中攻撃を仕掛けてくる。スズメバチ用の捕獲機や網などを巣門に設けて、ミツバチより身体が大きい敵が侵入しないようにしている。肉食性の敵はこうした弱い群れを襲って、ミツバチの幼虫が奪われてしまう。

今までで一番効果的なのは罠である。罠といっても極簡単に自作できる。飲料水700cc入りの空のペットボトル上部3分の1を切り取り、蓋を外しそれを下部の容器に逆さに挿入するだけである。下部には餌としてサラミソーセージと水に酢を加える。サラミは発酵しているのでその匂いがスズメバチの好み、水は中で敵がおぼれる、酢は死んだ敵が腐敗しないようにという仕掛けだ。水の代わりにビールを入れるともっと効果的だ。ビールや酢の発酵臭はスズメバチの好物なのだ。
毎回の事だが、こうした作業中に敵の攻撃があると最後には腹が立ち、素手で叩き、握り潰したりと感情的になってしまう。スズメバチにとっては災難だが、図々しいこの外敵に、一生懸命育てたミツバチを容赦無く食われてしまうのだからアタマに来るのだ。

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