柳の新芽が動き出したら・・・

2017.10.05

柳の新芽が出てきて日を追うに従って温かくなってきた。今日は久しぶりに巣箱内部の点検をした。気になっていた弱い群れは、想像以上に元気だった。弱い群れの扱いは本当に神経を使い、温暖で日の高い内に短時間で点検を済ませねばならない。この分では、気温上昇にともなって強群に転じてくれるだろうと安堵している。
色々な雑草の花も咲き始めている。天気の良い日のミツバチは様々な花粉を、花粉バスケットと呼ばれる両足についた袋に詰め込んで運んでくる。それぞれの花によって色が違うが、赤から白まで非常にカラフルできれいだ。この花粉を食べることによって若い働き蜂は、胸腺から女王蜂の食物となるローヤルゼリーを分泌するのである。非常に良質で様々なアミノ酸から成り立っている。蛋白質はアミノ酸の連なったものだから、花粉はミツバチにとって重要な栄養源だ。とりわけ花蜜の分泌が少ないこの時期の花粉は、蜂飼いにとってもありがたいのである。

冒頭に柳の芽が動き出したと書いたが、この木も非常に重要だ。春が来て最初に蜜を出すのは柳で、勿論他にも雑草木類があるが、蜜の分泌が豊富なのは柳だ。非常に小さな花だが、初春の蜜源としては貴重で、この木が巣箱の近くに1本でもあるとないとでは大違いなのだ。冬ごもりを終えたミツバチにとって、花蜜が多いこの木は実に重要なのである。やがてこの花に小さい種子が付き、その綿毛と共に春風に乗って、見事に大量に飛散する様は春の風物詩といえるほどだ。
日本にある柳とは種類が異なるので、こうした光景を見ることは日本では難しいだろう。そして本格的な春の訪れを知らせてくれる。この時期の当地はどこへ行っても花が一杯で、国中がまるで公園のように美しい。そして蜂飼いが猫の手も借りたくなる時期の訪れとなる。

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