私の休日の過ごし方・2

(前回に続く)マヌカの薪は非常に繊維が詰まり硬いので、炎が伏せた後の炭化したものは日本で高級品扱いされる備長炭のような硬炭となり火力も強いので、強火の遠火が条件の焼き肉や焼き魚には理想である。さて、焼き上がった肉が20分程度経ったので昼食となる。娘、家内用にはいつものようにサラダとマッシュポテトが出来上がっている。早速、焼き上げた肉へ一気にナイフを入れる。我ながら見事なミデアムで、全体にムラのない綺麗なピンク色のローストビーフが現れる。大量に擦り込んが岩塩だが、塩加減としては満点でこれは岩塩の不純物による甘味のおかげである。これが精製塩ならば、その鋭さと塩辛さよってとても食べられない。岩塩のようなマイルドさがないのだ。そしてこの料理の添え物として玉ねぎ・セロリ・ピーマン・コリアンダーなどのハーブを加え、みじん切りにしたニンニク・塩漬けオリーブそれにライムまたはレモン汁を加える。これらの野菜や柑橘は大方庭で採れたものだからタダである。パンは近くのスーパーの中にあるパン屋で売られている Ciabatta Bread だが、珍しくここのパン職人だけは旨いパンを焼くので気に入っている。Ciabatta はイタリアが発祥の地とのことで、私のお気に入りなのだ。
牛肉の焼き方はウェルダン・ミデアム・レアーなどと好みによってその焼き加減が異なる。しかしステーキハウスやレストランでミデアムレアーなどを注文すると、肉の中はほとんど火が通っていない生焼けの状態で出てくるのには閉口だ。ステーキは火の入った色とそうでない赤色がある。同じ赤色でも生のものは紫がかっている。肉の内部には細菌がいないのかもしれないが、やはりちゃんと火の入ったピンク色の方が私は旨いと思うし生焼きは好きでない。

少し前になるが、私は外国生活が長いせいか改めて日本文化に興味を持ち10年もの間日本とニュージーランドを行き来して、300年の歴史がある郷里の弓道場に入門した。名人と言われた高名な老先生のもと毎日稽古に明け暮れるが(画像はその当時のもの)ある日、門人たちとハンバーグの専門店に行ったことを思い出す。このとき店員が「ハンバーグの焼き加減をどうするか」などと尋ねてきたので、たいそう驚いた記憶がある。ハンバーグはひき肉を固めて作ったものでハンバーグステーキとも呼ばれるが、同じステーキでも大きく異なり、ひき肉にした段階でいろんな雑菌が入ってしまう。これは当然、生焼けの状態で食するものではなく完全に火を通すべきで、日本ではハンバーグのミディアムやレアがあることに本当に驚いてしまった。長く日本を離れているとまだ色々なことで驚くことがいっぱいある。

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