ニュージーランドの草刈り

ベースにしている蜂場の夏草がこの処の暑さと乾燥で枯草と化し、このままでは火事の危険性も有るので、大型の草刈機をトレーラに積み込み出動することになった。出来るだけ早朝に出発して明け方から作業を開始した。朝露が落ち枯草が湿っているので、エンジン熱や排気ガスによる着火のリスクを少しでも減らすためだ。また、もし火がついてしまっても暗い内ならば分かりやすい為もある。
草刈機は米国製で26馬力600ccエンジンを搭載している。クラッチレバーが左右にあり、ハンドル操作で方向を変えるのではなく両輪のクラッチを操作して方向転換する。普通の車のように前輪の向きを変えてのカーブを切るのと違って、左右の車輪の回転数の差によって向きが変わる。クラッチレバーを完全引くと車輪には回転が伝わらず車輪がストップするが、片方のクラッチが入っていれば方向が変わる。このシステムは360度の方向転換がゼロメートル内で出来るので非常に効率が良く、細かな動きが可能で草刈りには非常に適している。前輪の向きを変える通常の乗用車と同じ回転式ハンドルがあるが、回転半径が大きくて作業車としては不能率で向かない。
こちらの道路は歩道脇に必ず芝生が植えてあり、市役所から派遣された整備保守員がきめ細かなメンテナンスをするため綺麗に切り揃えられていて、実に美しい歩道がどこの町にも普通にみられる。拙宅の前の道路も、少なくとも1ヶ月に1~2度は整備保守員によって草刈りが行われている。その他、街路樹の剪定も含め様々な機材を使う作業が多く、私は時間さえあればこれらの作業を必ず見学する。そこには多くのプロとしてのノウハウがあるからだ。同じオセアニアの国でもオーストラリアのような殺伐さと比べると、当地は細かいところまで手が入り非常に美しい。 

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