自然から学ぶ知恵

ミツバチの移動

こんな具合で出来上がった鳥モチは水の中に保存する。メジロ取りに使う時は、事前に口内に含み体温で柔らかくして、ササの芯を回転させながら口内で薄く塗っていく。非常に粘着力のあるモチだが、口内の唾液がまるで潤滑油のようになり粘膜につくことはない。

先日屋根の修理をした際にハシゴをかけた重みで雨どいを割ってしまった。大雨が来てその部位から滝のように雨水が流れ落ちテラスのデッキが水浸しだ。娘が近くのホームセンターでシリコンの防水材を買い、ヒビが入った部分に防水材を塗っていたが、どうもベタツキが激しく思うようにシールができない。最後は指で防水材を塗りつけるものの、その指にもまとわりつきうまく塗れずにしびれを切らしていたが、私と交代して首尾よく直すことができた。結局、指を唾液で濡らしてシリコンを塗れば、難なく簡単にうまくゆく。これは前記の鳥モチの扱い方を利用したまでの事なのだ。こういう単純な事ほど今の世代は知らないのである。

逆にパソコンの不具合などになると娘を頼るしかないが、何もPCがなくても生活はできるのだと強がりを言いつつ、内心はこうした文明の利器には実に腹が立つことが多いのだ。でも幸いに養蜂という仕事は文字通り自然を相手にするので、子供時代に覚えた多くの知恵が自分の気付かぬところで役立っていることが多い。ガキ大将から伝承された知恵やリスク回避、つまりどこまでやったら危険なのかという事を子供ながらに身に着け、これは自然からの授かりものであり、ガキ大将の言う事を聞いていればまずケガなどすることもない。
最近の世代は私のころには有り得なかったイジメやリンチで命を落とすことがよくある。これはどこまでやったら ”ヤバイ” のか限度が理解できないからである。こういう事は自然界から学ぶのが最も近道で、本当は今の世代にもできるだけ自然環境を与え、その摂理を知るべきであると思う。

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