マヌカハニーの輸出と実態

前々回でも触れたように、マヌカハニーは世界的に人気が上がるに従って生産が間に合わなくなっている。こうなるとなんでもそうだが価格の高騰もさることながら品質の低下が懸念される。
以前、輸出されるマヌカハニーの虚偽表示が国際的に問題となり、訴訟沙汰で大手生産会社が敗訴したことがあった。その後もこちらの業者は性懲りもなく適当なラベル表示をし、相変わらずニュージーランドの農産物の信頼性を低下させていることは間違いない。腰の重い政府が見るに見かねてやっと規制に乗り出した。このままだとニュージーランドの農産物の信用に関わるからだ。

当国のマヌカハニー生産は、他の農産物と比べてその規模は取るに足りないものであるが、それ故にそんな小規模生産品によって当国産の農産物全体が信頼を失墜させてしまう事になったら農業立国としてとんでもない話である。実際にそうした兆候は既に多くの実例をもって認めることができるようだ。そのようなことで政府は “マヌカハニー” という名前で輸出する限り、必ずマヌカ樹木からの花蜜由来で無ければならないと定めることにした。それはマヌカ花蜜の特有成分量を分析すれば容易に分かることだ。私共に言わせればこんな事は当たり前のことであるが、マヌカハニー以外の雑蜜を混合、増量して販売してきた多くの業者にとっては大きな問題である。この事は何も当地ニュージーランドのみならず、輸出先となる国々、すなわち日本の販売業者にとっても深刻な問題となる。特に大手製造業者の製品はほとんどこの規制に影響される事になるからだ。
紛い物を売ればやがてはこうなることは当然でもあり、今まで大きな顔をして一見もっともらしい事を言ってきた大手供給元が、全て泡となりはじけることになる。この影響が日本で実感できるようになるのは今年の秋以降と思われる。

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