今年も分蜂シーズン到来・1

本年も余すところ僅かとなりました。毎日ミツバチの飼育に明け暮れていますが、このブログを書いていると本当に時間の経過が早く感じられます。顧客様の健康に必ずお役立ていただける機能性ある本物の蜂蜜、その生産にひたすら精進する日々でございますが、どうか皆様におかれましては良いお年をお迎えくださるよう、心よりお祈り申し上げます。

さて、当地ニュージーランド北島はこの処北風が入り込み、南太平洋の温かい気団によって急に夏らしくなってきた。ミツバチたちは蜜源が豊富なため、益々その活性が出て現在ピークに近く一群5~6万匹近くはいるだろう。巣箱内はどんどんと過密になり分蜂(巣別れ)のリスクが出てきた。これを放っておくと蜂群の半分のミツバチが蜜を持って何処かへ飛び去り、養蜂家としては大きな痛手となってしまう。これを防止するためには新しい女王を育てる為の王台(queen cell)と呼ばれる大型の巣房が必ず現れる。これを見つけ次第除去し、縦箱と呼ばれる巣箱をつぎ足してスペースを充分にしなければならない。一箱に10枚の巣枠(frame)が入っているが、一枚ずつこの queen cell がないかを確認する作業が必須となる。
queen cell は普通の産卵巣房よりも何倍も大きいので簡単に見分けがつくが、とにかく何万匹もの蜂が各 frame を覆っている。まず点検をするframe を静かに引き抜き、上下に激しく揺すって蜂たちを巣箱内に振り落とすと、queen cell を見つけることができる。分蜂の時期は流蜜シーズンが多く蜂の活性力がピークに近いため、大変な数の蜂に囲まれた作業となる。queen cell の点検は各 frame を慎重に点検する必要があり、一個でも queen cell の存在を見落としてしまうとそこに産卵された蜂は働き蜂によってローヤルゼリーを与えられ、2週間程度で新女王に育ってしまうからだ。queen cell は一群に一つあるという事ではなく何個でも作る。これは女王蜂誕生の確実性を高めるためなのだろう。(つづく)

関連記事

もっと見る