雨続きが思わぬ事故に・・・

ニュージーランドのこの時期は雨が多く気持ちまで滅入ってしまう。こうした時期は養蜂器具をはじめ巣箱の整理点検となるが、晴れた日には養場に出向き各群れの点検も行う。出来るだけむやみに巣箱を開けない方が良いのは十分承知しているが、ついついどんな具合か開けてしまい結局は後悔をする。どれも元気でちゃんと暮らしているのに、なんで余分なおせっかいをするのだと毎回思うのである。

それだけで済めばよいのだが、先日は車両が泥沼化した穴にはまってしまい、しなくても良い苦労をしてしまった。この時期の養場行きには必ずアンカーやロープを持って行く。泥にタイヤを取られたらできるだけ硬い所を探して専用のスコップで穴を掘り、アンカーの先端を差し込んだら車載のウインチのワイヤーロープを繋ぎ、それを支点に引っ張り出す。アンカーを打ち込んだところがしっかりしていれば車を引き出せるのでラッキーだが、この時期は地盤が緩んでいてどこも糠に釘の状態である。
付近はマヌカ樹木の自生林が群生しているが、マヌカは直根が短く支点としての利用が難しい。そんなこともあるので、夏場のうちに最も悪路化しそうな路肩に支点となる杭を打ち込み、周りをセメントでしっかり固めた。夏場は水がないのでタンクに汲んだ水をトラックに積み、杭と穴の隙間に水を注入するだけで固まる特殊なセメントを使って難所に十数か所もの支点を作った。これには今まで本当によく助けられた。最も遠方の蜂場は丘陵地帯に沿って道があるが、以前はここでも車が動けなくなりアンカーを打ち込んで何とか脱出した。しかし突然、近くに落雷があり実に怖い思いをしたこともあった。とにかくそこには私たちより高いものがなく、スコップやアンカーなど雷を引き付ける金属に触れての作業なので、事故につながらなかった事が不思議である。本物のマヌカハニーを得るには、時には命がけになることもあるのだ。

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