純度の高いマヌカ蜜を採るために

マヌカ樹木の開花があちこちでよく見られるようになってきている。ミツバチたちは今後本格的にこの花に向かう事になるので、それまでの雑蜜は取り除き新しい巣枠の交換が必要となってくる。それをしないとマヌカハニーの純度が低くなるからだ。ミツバチは仲間に花蜜を能率よく採取できるところを教え、一旦そこが良いという事になるとシーズンが終わるまでその蜜の収集に専念する一極性がある。よく顧客様からの質問で、周りに咲く花は何もマヌカだけではないのでマヌカ蜜だけの採取は不可能だろうというが、これはミツバチの習性としての一極性を知らない事による。ただもう少し述べると、実はミツバチはマヌカ花蜜が他の蜜と比べるとあまり好きではない。近くにもっと気に入った蜜があればそれに向かうのである。従って本当に純度の高いマヌカハニーを得るにはマヌカ花蜜の濃度の高い地域内で養蜂を展開することに限る。
セイヨウミツバチの行動半径は4キロに及ぶので周囲の環境を念入りに調べなければならない。マヌカの花が咲いているからと単純にそこに巣箱をおいても、あまり好きでない蜜を積極的に採りに行くことはない。私のところはそれこそマヌカインカナム種の故郷とも言ってよい地域の、マヌカ原生林内での養蜂であるからミツバチにしてもマヌカ蜜以外には向かう事がない。ただしオフシーズンには森林内の雑蜜を採るため、冒頭に記したようにマヌカ開花シーズンになるとこれらの蜜は巣箱から除去し、巣箱番号を付けて保存して越冬のための餌として彼女(ミツバチは女系集団)たちが採取した同じ蜜そのものを巣箱に返し冬季に使用する。違う箱の蜜を使うと伝染病拡散の原因になることもあるのでこれは要注意だ。養蜂の仕事は整理整頓が常に求められ、いい加減な事はご法度である。因みにマヌカ蜜は養蜂家にとってもその離蜜作業は粘度が高い為、非常に手間がかかりあまり好きではないのはミツバチと同じだ。しかしこの蜜を心待ちにして頼りとされている顧客様の事を思うとそんなことは問題ではない。

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