進む宅地造成と開発

2017.11.01

今日は久しぶりに嬉しい話を聞いた。ベースとしている養蜂場は拙宅から車で40分はかかる距離にあり、途中3つの山を越さねばならず、急勾配と極端なカーブの連続だ。この近くでも、このくらいの距離を行かないと環境の良い所がない。急勾配と極端なカーブの連続は毎回のことで慣れているが、それでも直線コースと異なり疲れた帰路では長く感じる。それが “道路拡張とトンネル工事による直線の自動車道建設がこれから始まる” とのニュースだ。
トンネル工事などは当地では珍しく、私の知る限り北島ではトンネルらしいものはたったの2本しかない。多分、金がかかるからだろう。その本格的なものを作るというのだから驚いてしまう。これができるとこれまでの半分の時間(20分以内)でベースまで行けるようになるのだから本当に助かる。こうして簡単に現場に行けることは、常にミツバチの世話ができるので何かと効率が良く、ミツバチにとっても快適な営みができることに期待できる。
前にも書いたように拙宅近辺は宅地造成が盛んで、ゴルフ場などが不動産会社に買収され600軒の建売住宅が建設されている。周囲には新モール街やスーパーなど、大型店舗や駐車場の建設ラッシュである。特段ニュージーランド経済が好調でもないのにだ・・・。この辺に住む人たちは、ことごとく高騰した宅地を売って郊外に引っ越す人が続出している。また一般のキューイ(ニュージーランド人の愛称)は、住居高騰でローンを組んでもこの辺を手に入れることができないとの話だ。では600軒もの新築住宅を誰が買うのかという事だが、当然、中国から移住してくる人たちである。驚くことにその大半がもう予約されているとの事。オーストラリアも含めこちらは住宅が高価で、1軒1億円位出さないと買えないようである。
拙宅の近くには、それこそチャイナタウンができるのではないかとも噂されている。実際、東洋系の食材店なども出始めている。そんな環境でノンビリ蜂飼いでもやることができれば最高であるが、近所からのクレームも実際にはある。後から引っ越してきた奴に限って文句を言うのが常だ。そんな時は、「忙しいから市役所に相談に行け」という事にしている。

ニュージーランドは今、ネオニコチノイド系の殺虫剤でハチが減ってしまい、果物から野菜に至るまで不作で大きな問題となっている。やはりこの国の基幹産業は工業政策を放棄した第一次産業だから、ミツバチによるポリネーション、 つまりミツバチによる花粉交配によって、野山の植物や豊かな果実づくりの支えは非常に重要である。従って市役所のお役人はどちらが大切なのか、頭を痛めていることを私はよく知っているからだ。自国の自然を破壊してまで不動産屋の片棒を担ぐことのナンセンスさは、中国の方が一番よく知っている筈である。

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