行く末を案じてならない
2018.05.25
前回までは少しだけ幼少時代の事について触れた。この事を書いたら際限がなく過去ばかりに思いを巡らせていてはそれこそ歳を取ってしまう。
今日は最も遠方にある養蜂場に行った。往復で 550km あるので早朝に出発をしないと日帰りができない。段々明るくなるにつれ、のどかな田園風景が朝霧の中に現れてくる。延々と続く牧場で羊や牛がのんびりと草を食べる風景を見ていると、これが本来のニュージーランドの姿だと思う。
7年ほど前は農村が寂れ多くの牧場にSaleの看板が立ち、農家の厳しさを感じたものだった。その後労働党から国民党に政権が移り、同党の農家への支援が労働党とは打って変わって手厚くなった。しかし農業は一度荒廃してしまうと元の姿に戻すのには大変な時間と金が掛かる。去年まで2期続いた国民党政権は本当に良く努力し、農業復興に貢献したと思う。これからもこの政党が続けばニュージーランドの将来は明るいと誰もが思ったことだろう。
こうした中、去年の暮れに国民総選挙が行われ、国民党は議席獲得に過半数は及ばなかったものの上々の善戦をした。誰の目にも引き続き安定政権が誕生するように見えた。ところが、野党連合によって過半数の議席が奪われ政権につくことができなかったのである。それは今まで連立を組んでいた政党が野党に寝返ったことによる。国民の支持を得ていた政党が政権を取ることができなかったわけだ。野党の小政党たちが連立を組んだ結果過半数に達してしまった。海外のプレスは一斉に ”勝った政党が負けてしまった” と報じた。これでは民意が反映されておらず民主主義ではない、と報じたプレスもあったほどだ。
政権を握った労働党を中心とする元の野党連合は、国民党の政策とは正反対な事に終始し、道路建設などのインフラ整備の資金をはじめ燃料はじめ、様々な分野の税収を貧困層援助に費やし始め、多くの分野で税率を高めている。長い時間をかけてやっと農村が復活し、豊かな田園風景が見られるようになったのに、、である。
ニュージーランドはやはり農業国であるので農村重視は当然だと思う。少なくとも労働党政権が続く限り当国の生産力は低下し、この国は ”売り” の状態が続くだろう。勿論これは養蜂関係にも決して良いことにはならない。