王台(queen cell)の除去

前回は分蜂の話をし、分蜂は養蜂家のリスクとなること、それを防止するには事前に女王蜂が育つ前までに王台(queen cell)を除去しなくてはならない事を述べた。ただし何万頭もいる蜂の中での作業だけに queen cell の除去漏れが全くないという事はどんな養蜂職人でも神業に近いほど至難の業だ。数多く作られる queen cell は簡単に発見しやすいものが殆どだが、中には巣枠(frame)の目立たない片隅にそっと作ってあるものがある。このような場合が見落としに繋がる。種族維持の為、折角作った新女王蜂育成中の queen cell が片っ端から蜂飼いによって無残に潰されるのだから彼女(ミツバチは女系集団)たちにとってこれは死活問題なのだ。

あくまで私の想像にすぎないが、ミツバチの中には、できるだけ新女王誕生を人間どもに解らぬよう密かに誕生させる知恵がDNAに組み込まれ進化しているように思えてならない。それほど目立たず、一目見ても解らない偽装工作までされた queen cell を何回も見たことがあるからだ。これは何代も人間に飼われ続けていく中での進化の過程の一環かも知れないと思ってしまう程である。
その queen cell をハイブツール(hive tool)という養蜂家必須の道具で取り去るのであるが queen cell の中には多量のローヤルゼリー(画像参照)が入っていることがよくある。それを集めて帰路の運転中、巣房ごと口に放り込む。ローヤルゼリー独特の強烈な酸味と刺激的な味・香りがある。これを食べながらの運転はどんなに疲れていても眠くなることはない。マヌカハニーとの混合・併用は相乗的に健康への有用性があることを私自身強く実感し、長年の顧客様からのご報告からも確信に至っている。
因みに分蜂については、運の良いタイミングで分蜂群を捕獲できれば1群を増やすことができる。蜂群を増やすための方法は他にも色々とあるが、結局隔離して女王蜂がいない状態を作り出し、新女王の誕生を促すのが一般的だ。

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