蜂飼いにとって重要な仕事

巣箱内の点検は蜂飼いにとって重要な仕事である。産卵の状態や女王蜂の有無の確認など、常に沢山の点検事項を頭に入れ臨機応変に対応しなければならない。何万匹の群れから一匹の女王を見つけるのはあまりにも時間のロスであるが、産卵していれば女王蜂が存在する証でもあるし、その産卵状態によって女王の健康状態も確認できる。
元気な女王は流蜜期には巣房内に密集して産卵を行うので、その産卵域と産卵密度が大きく高いほど高性能な産卵能力を持つ優れた女王であると判断できる。逆に産卵状態が粗、つまりまばらな状態ほど産卵力が劣ってきている。これは女王の加齢によるもの、または遺伝的要因が上げられるが、勿論病気やダニなどの害虫や、巣箱内の生活環境による影響などが関係してくる。

女王蜂は3~4年間は産卵するが商業寿命はせいぜい2年で、私のところでは毎年更新することもある。養蜂の大きな条件として女王蜂の性能、つまり産卵能力によってその群れの活性が決まり、マヌカハニーの収量に大きく関係してくることは言うまでもない。その他に巣箱内の点検は様々な事を全て頭に入れて同時進行するが、そうかといって内検にゆっくり時間をかけてやるとそれこそ日が暮れてしまう。何の仕事もそうだと思うがケースバイケースで能率よく、しかも丁寧さの相反することを臨機応変にすることが求められる。そしてこれは私論であるが、ミツバチたちは管理する職人の本質を見抜いていて、腕の良い職人程ミツバチは穏やかである。昔ブラジルに暮らていた頃、友人の家には大きなスズメバチの巣があったがそれを駆除しようとはしない。このスズメバチは家人にはアタックしないが、素性のわからない外来者には攻撃し泥棒避けに利用してると言っていたのを思い出す。あながちデタラメではなさそうだ。

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