収穫期を迎えたマヌカ蜜

巣箱を内検の結果、そろそろ収穫時期が近づいてきた。多くの巣箱は蜜蓋がフレーム両面の全面にされ、引き出すと両腕にずっしりした重量感が伝わってくる。巣箱によっては4段重ねも多く、マヌカ蜜の流蜜時期の巣房蜜は最上段から下に逆算するとおおよその貯蜜のストック階数が分かる。またマヌカ蜜は他の花の蜜と比べて色が濃く渇色なのですぐわかる。粘度や比重が非常に高いので手回しによる通常の遠心離蜜器では離蜜できず、モーターによる高速回転の離蜜器でなければ分離できない。
まだマヌカハニーが世界的に知れ渡っていない頃、この蜜の分離は養蜂家を悩ませたことだろう。年老いた養蜂家の話では、養蜂場内にマヌカ樹木が生え出したのを見つけたら引っこ抜けと親によく言われたものだ。今はマヌカ樹木をこのように抜いてしまう養蜂家は皆無で、時代と共に変われば変わるものだと遠い昔を見つめた目つきで話していたことを思い出す。
マヌカ蜜が身体には良いことは親から子に伝承され昔から知られていたことだが、職業としての養蜂家には実に厄介な蜜だったのだろう。私のところは明けても暮れてもマヌカ蜜を追っかけているので、こんなことは当たり前で苦に思ったことはなく逆に大歓迎なのだ。今は熟成度の高い蜜から順番に収穫し、出来るだけ蜂が入らぬよう専用容器にフレームを移し替え、封をして抽出設備までトレーラーで輸送する。

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