女王蜂の健康状態を知ること

流蜜期の巣箱の内検は分蜂(巣別れ)を抑えるためには重要であり、養蜂家は常に多くの問題を同時に解決・確認をして敏速に内検を進めていかなければならない事も既に話した。
その中でも女王蜂の健康状態を確認することも最重要点だ。何万匹もいる蜂群から女王蜂1匹を見つけるのは極めて非能率であるし、何も女王を見つけたからといってその健康状態を知ることは、大よその事は分かってもやはり困難でもある。特定の巣箱の女王の産卵能力がどの程度のものかは巣房内の幼虫や卵の産卵状態を見れば的確にわかる。画像のように蓋をされ、成虫目前の幼虫がまとまってフレーム上に密にあることが理想である。これは女王蜂の産卵性能が劣ってくるにしたがって産卵域が小さくなったり租になる。画像はフレーム全面に密集しているのでこの巣箱の女王は高い産卵性能を持っていると判断できる。
たまに女王蜂が交尾に出かけ鳥に食われたり事故死することも考えられるが、産んだばかりの小さな卵(1~2mm)が巣房内部に存在すれば女王は健在であることが分かる。そのほかに蜂の病気、特に伝染性が強いアメリカ蛆腐病などにかかっていないか、ミツバチの天敵でミツバチヘキイタダニがどの程度繁殖しているか等々、上げたら切りがない。内検は、一度に多くの巣箱を手際よくやってゆくために沢山の課題を同時にクリアーしなければならない。いろいろとあるが結論的には、産卵性能が優れた女王蜂によって活性力の強い蜂群に育て上げ、そのピークが流蜜期に合致していることである。そのためには冬場などのシーズンオフに、どれだけ彼女の(ミツバチは女系集団)より良い生活環境づくりをサポートできるかに掛かっている。マヌカハニーを採るための花が咲き出す頃では既に遅いのである。

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