国民性からみる違い

ニュージーランドはこのところ日ごとに気温が下がり、夜にはストーブを焚く季節となってきた。 薪ストーブなので今冬に消費する薪の補充もしないといけない。煙の臭いでまた冬の訪れを自覚し、ミツバチの越冬に思いを巡らす。それにしても近年は夏が過ぎたらすぐ冬になってしまう。こういう事は以前はなかった。年々異常気象の傾向が強く、蜂飼いにとっては本当に困ったことである。とりわけ蜜源植物の開花予測が年ごとに困難になってきている。これは、予定はあくまで未定でプランが立て難いのだ。この時期のミツバチたちは様々で、強群もいれば元気のない群れもいる。とにかく急激な温度変化を常に念頭に置き、巣箱内の保温に気を付けないとならない。なるべく巣箱内のスペースを縮小することになるが、かといって反対に気温の急上昇も充分考えて対処しないとならない。気温変化の激しい季節の変わり目は本当に気を遣う。ミツバチはデリケートな生き物であるので、細かいところまで気を回さないとならない。その点では繊細さのある東洋人は蜂飼いに適していると言えるのではないだろうか。

また人種の比較となってしまうが、こちらの人たちは確かに動物を飼育するのには慣れている。主に羊や牛飼などにおいてだ。羊については、ある面では非常に飼育が簡単であるし病気もせず手数はかからない。私のところでも飼っているが、本当に手が掛からない。
ここニュージーランドは大古の昔、海底に沈み浮き上がってきた島なので、哺乳類は全て海外から持ち込んだもので、羊もイギリス人植民者によってもたらされた。羊によってウールを得る、食肉用にもなるのでこれさえあれば衣食住の内、衣食は確保できることになる。植民地時代は原生林を拓き、その木材で家屋を建て牧場を作れば生活に問題はなかった。そして芋類でも栽培すれば羊肉・羊毛で充分生活ができた。こうした単調な生活が長く続くと、国民性としてはどうしても繊細さが育たなくなるのかも知れない。スーパーマーケットで奥さん連中の買い物カートの中身を見ると、実に単調な食生活をしている。ここの人の料理は味に乏しく、またイギリス人にしてもイギリス料理という言葉を聞いたことがない。ひいていえばローストビーフとそれに添えるウスターソースしか私は知らない。東洋人から言わせれば、ニュージーランドやイギリス人はまるで味盲ではないかとさえ思ってしまう。と言うか食生活において「あれも食べたい、これも食べたい」といった感情があまり無いように感じるのだ。従ってマヌカハニーなどについても、とりわけその味・香りについて日本人ほどの繊細さは無いように思う。

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