庭木の枝打ち・2

2017.10.20

拙宅は門から40メートルを車道としてコンクリートで固め、その奥にガレージがある。ガレージから少し離れて住居が建っている。ガレージの前には大きな樫の木とメープル(カエデ)がある。この両方ともが大木で、前回書いたようにこの種の樹は勝手に切り倒してはならず法律で保護されている。一本一本、市役所に登録されているのである。
このガレージの前にある樹だが、縦横に枝が盛んに繁茂する性質があり、その上、枝が下方に垂れ下がるので葉が付いてくるとその重みで枝全体が下がってくる。毎年垂れ下がった枝を伐採するのだが、それでも四駆車の天井についてしまうので今回はこの枝を吊り上げることにした。一番うまく行きそうな方法をいろいろと考えた結果、四輪駆動車の前バンパーに取り付けたウインチを利用することになった。これは巣箱などを蜂場に輸送中、泥濘(ぬかるみ)にタイヤが取られたり崖に落ちそうになった時などの緊急用の装備だ。5トンを吊り上げるパワーがある。
この樫の樹の上部主幹部にプーリー(滑車)をロープで結び、それにウインチ専用のナイロンロープを通し、その先端のフックには目的の枝に巻き付けて結んだ鎖に引っ掛ける。安全性を確認してウインチを作動させると、さすがの大枝もグングン持ち上げられ、成功したかのように見えた。が、突然大きな音がしてその大枝がもとの位置に落ちてしまった。どうしたのだろう? と思い点検すると、鎖が途中から切れてしまったのだ。これは想定外、ナイロンロープが切れずに新品の鎖が切れるとは・・・。

ホームセンターで売っているようなクサリは、溶接部分が完全でなく切れてしまう事が後で分かった。昔はこんなことは絶対になかった。色んな国に生産を任せてしまうと、こうした不良品があふれることになると認識した出来事だった。これは鎖の形をした代物にすぎず、リスクのある仕事には、例え高価でも信頼性のある製品の選択をしないととんでもない事になりかねない。結局この大枝に角材を吊り下げ、下からトラックのタイヤ交換に使う油圧ジャッキで押し仕上げ、太さ10ミリの鎖に取り換え、それを主幹に固定して角材を除去し、つり上げがうまくいった。
この樫の木は夏季になると広範囲に日陰を作ってくれるので、木陰と木洩れ日の恩恵は、その下で何をやるにも最高の環境を作ってくれて貴重である。まだ若葉が出てこないうちに庭中の枝打ちをして、適当な大きさに切り揃えると結構な量となり冬季の薪になる。台所でネギなどをまとめて切る要領で(画像のように)チェンソーで切ってゆくのが一番能率的だ。切ったものは薪小屋に収納する。薪ストーブからでた灰は、弱アルカリ性が好きなオリーブの根本に撒くと成長が早い。

関連記事

もっと見る