インカナム®マヌカハニーについて
2017.11.10
今月から発売が予定されているインカナム®マヌカハニーであるが、これは私が懇意にしている小規模養蜂場で採取された製品である。そのほとんどが、ホビー(趣味)などで養蜂をやっている人たちが多く、弊社養蜂場によく遊びに来ては、いつも飼育方法などで話に熱が入る。何度も話しているように、やはり本当に良い製品を得るには、ミツバチの健康を考え、ストレスを与えぬよう如何に自然に接するかが顧客様の健康につながると信じている。
しかし、これが大規模で商業的な養蜂になってしまうと色々と事情が違ってきてしまう。一例では、冬場の餌に砂糖を与えたりすることになる。それは流蜜シーズンに出来るだけ生産を上げるため、ミツバチが越冬する貯蜜まで収穫してしまうからだ。
それから、もっとも見ていて哀れなのはポリネーション養蜂だ。これは花粉交配用にミツバチを利用するのであるが、農産物生産者にとっては、高い増産性が見込まれるため魅力ある方法であるが、ミツバチから見ればとんでもない災難なのだ。特に温室やビニールハウス内でのポリネーションは、残留農薬などにさらされるミツバチへのダメージは計り知れない。
当地ニュージーランドでは、キウイフルーツ・リンゴ・柑橘類はじめ、広域な野菜類に至るまでポリネーションが盛んであり、養蜂家が貸し出すことによる収益は、かなりのウェイトを占める。しかしこれは、ミツバチのダメージとの引き換えであり、私は決してこれに同意するものではない。農薬や化学肥料を使わないオーガニック栽培であればまだしも、通常の農業生産において、このような手法をもっての生産はミツバチの生存に関わることであり、4000万年以上も続いたミツバチの歴史に大きく影響し、自然環境を破壊する何物でもない。
この事は懇意にしている小規模養蜂家も全く同じであり、危惧している。