本格的な紫外線シーズン到来

2017.10.30

既に春一番の強い風が吹き、随分と風景が明るくなってきた。それに伴って日中の紫外線量も高くなってきているのがこの時期には特に感じる。冬季は雨が多く日差しも極端に弱かったのだが、急激に天気が良くなり、日差しも強く景色全体が白く感じる。これも今の時期だけですぐ慣れてしまう。白く見えるのは恐らく紫外線の影響だろうと思う。夏季休暇を利用して当地を訪れる日本の方たちは、皆口を揃えて「景色が白っぽい」と言うのだ。私も訪日して帰国すると暫く同じことを感じる。

春先が一番強く、気象機関から連日最高段階の注意喚起 “Extreme” の報が出る。車での遠出はサングラスが必需品だ。こちらは緯度的に南極に近く、フロンガスによって極上に空いた巨大なオゾンホールの影響は本当に深刻だ。何でもそれは南極大陸の1.3倍に当たるそうだ。南極上空のオゾン量が極端に少なくなる現象で、その原因は冷蔵庫などに使われていたフロンガスなどによってオゾン層が破壊されることにあるようだ。
私たち蜂飼いは屋外の仕事が多いので、特に紫外線の降り注ぐ時間帯は肌の露出に注意している。一説によればその紫外線量は、日本の8倍にも及ぶと言われる。皮膚癌は世界でニュージーランドがトップ、私もちょっと前に右腕に大きな斑点ができたので切除した。病理検査ではNGだったが、そのままにしておくと皮膚癌になる可能性が高いとの事だった。
一方で、紫外線が強いシーズンは活性度の高い蜜が収穫できることは経験上、何となく知っている。ミツバチにとっても紫外線は大きなリスクであり、こうしたストレスが逆に活性度の高い花蜜を運び、生存を維持するためにあらゆる疫病から種を守ることを最優先するのではないかと示唆している。この事は大げさに言うと一つの企業秘密となってくるが、このように自然環境の厳しいシーズンほど生産設備に投資している。一般的にこちらのビーキーパー(蜂飼い)に言わせればナンセンスな事だと見下げられるが、己の考えに信念をもっての行動が功を成した時は本当に嬉しいものだ。

自然界は全く不可解なことばかりで裏切られることが常だが、たまにはこうした褒美があることも確かなのである。もっとも、紫外線と発癌の心配は(マヌカ蜜と養蜂場に大量に野生化している)クレソンを日々食べていれば、こうしたリスクとも無関係でいられると思って気楽にやっている。

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