プロポリスの驚異的な力
今日はプロポリスについて少し話そう。
プロポリスとは、ミツバチが植物樹脂(ヤニ)を巣箱に運んで来たものである。植物起源も色々あり、これといって特定する植物もない。ミツバチは本能的に樹木の活性力を知っていて、巣箱に持ち帰る。巣箱は縦横50センチに満たないスペースで、流蜜期には女王蜂を中心に5万匹を超える大所帯が生活する、文字通りの過密住居である。このような状態で何か病気が発生したら、瞬く間に感染して全滅してしまう。しかし余程のことがない限り、そうした事は起こらない。彼女(ミツバチは女系集団)達は、それぞれのミッションを持って平和に暮らしている。それはプロポリスの持つ活性力を利用していると示唆される。
巣箱内に持ち帰ったプロポリス樹脂は様々な場所に塗りこめられ、特に巣門(出入り口)近くに大量に塗り付け、長く放置された巣箱は、巣門に貯められた巣箱に蜂一匹が通れる程度のトンネルが作られ、外から帰った外勤蜂はこのトンネルを通って巣箱内に帰巣する。その時に外勤蜂の身体がプロポリスに接触するため、消毒がされると考えられている。また、ミツバチ自身の身体より大きな外敵が侵入してくると、沢山の蜂によって毒針で殺してしまう。しかしその死骸を巣の外に運び出せないとその場で腐敗してゆくため、ミツバチ達はその前に大量のプロポリスを死骸に塗りつけることで腐敗を防ぎ、ミイラ化させてしまうのだ。
巣箱内は至る所にプロポリスが付着し、特に隙間などに塗り付け外界と遮断をしている。巣箱内部をプロポリスでコーティングすることによって、有害細菌類の増殖を防止していると考えられる。4000万年前と推定される琥珀中より発見された蜜蜂のDNAを鑑定した結果、現存するミツバチのDNAとほとんど変わらず、この事は、大古よりミツバチは進化していない事を意味していた。大半の動植物は環境の変化に順応するため、自身のDNA塩基配列を変化させて進化し生き延びてきたが、ミツバチにはその必要性がなかったことになる。
とてつもなく長い間に・・・ 幾度となく多くの問題を解決し、今日まで4000万年以上前と殆ど変化無く生存してきたのである。その意味するところだが、プロポリスなどによって巣の中は外界のあらゆる問題から保護されてきたために、その時々の状況によって蛋白質(DNA)を変化させ、進化する必要がなかったという学説が有力である。このような事からも、この生き物は非常に特殊だといえ、人間の知恵では理解できなくて当たり前なのかもしれない。