モノプランテーション薬剤の類似

学生時代に体験したアマゾンの話に戻ってしまうが、未開の原始林に対し、当時、外国からの開拓者は未開地開発のために優遇され、ブラジル政府やペルー政府より信じられないほどの安価で土地を買うことができた。アマゾン川流域に沿ってキロメートル幾ら、といった非常に大雑把な交渉で、何10キロ或いは何100キロ単位で所有した流域に沿った土地は、奥行きの制限がなく、開拓すればそれが全て自分の所有となった時代だった。
こうして焼畑農法によって原始林を伐採した処女地にはまず、トウモロコシや大豆などマメ科の物が播種された。マメ科植物は肥料の三要素である窒素・リン酸・カリのうち、根にある根粒菌によって空気中の窒素を固定することができるので、土地が肥沃になる。当時、戦略物資としての(対共産主義防衛⇒ベトナム戦争)コショウ(兵士用の食品、缶詰などに必要)のモノプランテーション(単一栽培)が盛んに行われ、健康なアマゾンの地には大変な収量を得ることができた。

約10年間はこうした状態が順調に続いたのであるが、やがてコショウの原因不明による病気や害虫が発生し、結局はこうしたコショウ栽培農場は全滅に近い状態となった経緯がある。
かつてアメリカのフォード財閥(自動車のフォード)が創始者へンリー・フォード陣頭指揮のもと、タイヤ生産に欠かせない天然ゴム生産で豊富な資金と機械力をつぎ込み、モノプランテーションをアマゾンのど真ん中タパジョス川流域に、ジャングルを切り開き展開したのだが、結果的には撤退し、コショウ栽培と同じ結末となった。
これは何がそうさせたのか、ということだが、原始林に生息する大方の動植物を追いやったコショウやゴムのみのモノプランテーションは、一時的には成功したかのような錯覚を得ても、結局成立しなかったわけだ。
それは自然界の掟に背き、人間の都合の良い方法のみに偏った、他の生物を排他した一つの侵略の結果だと当時の私は身をもって経験したものだった。
やはり、この地球は人間様だけの物ではなく、人間は多くの生物の一員に過ぎない、ということだ。
因みにタパジョス川は何度も足を運んだ事があるが、アマゾンでは珍しいほど透き通った清流で、濁流の流れる本流或いは大方の支流とは大きく異なる楽園の地。現在でもへンリー・フォードが夢見た理想郷として、古びたフォードと書かれそびえ立つ給水塔があるようだ。

弊社の製品を利用される顧客様は、延べ人数で10万人はおいでになる。
顧客様のご意見では、感染症による慢性胃炎対策としてお買い上げいただいている方が多い。また、抗生剤・抗生物質など抗菌薬による除菌に成就せず、薬剤に対し耐性化した菌でさえも何ら関連性なく、良い結果を得られている報告例を多くいただいている。
こうした感染性の慢性疾患でも、その起因菌のその後の検査では顕著にその数値が低下するが、完全にゼロにはならないとの報告も多い。ある程度減少してしまうと免疫力で発症を抑えられるようだ。
私は営業上製品の肩を持つのではないのだが、抗生剤・抗生物質に代表される人工の抗菌薬は菌類に対し見境なく毒性を示し、消化器内でいわば皆殺しに近い攻撃をしかけてしまう。
例え、有害菌や人間にとって好ましくない菌類であっても、この地球上に生命を得た生物である。
こうした皆殺し的な、製薬会社が作った人工の抗菌剤は、必ずそれに対し薬剤耐性菌と呼ばれる菌類が登場する。

このようなことは、上述したアマゾンの原始林を焼き払った略奪農法によるモノプランテーションと共通するところが有るように思えてならない。
やはり、人間の生活は自然と共存しなければ成り立たないと痛感するところである。
牛に牛を食わせたり、僅か数十センチ四方のスペースで成長促進のため量的に餌を食わすのに口を広げるためクチバシを焼きコテで切ったり、短期間に多量の薬剤入りの飼料で鶏肉や豚肉を得るなど、問題のBSE問題や動物由来の病原ウイルスによる急性肺炎やインフルエンザなど、また、農業生産でも肥料にも多量の抗生剤・抗生物質が使われているのも基本的な誤りがあるように思えてならない。