モーラン博士マヌカハニー

査証を得るには複雑な手続きと資格やスキル、資金が必要であったが、何とか粘り強くトライしたこともあって、結果的にはクリアーすることができた。在ブラジルニュージーランド領事の好意的な協力もあり、また、ニュージーランド在の日本人の保証人としての厚意にも感謝している。そして、スーツケース2個でブラジルから日本を経由して妻と末娘を連れ、当地ニュージーランドにやって来たのだった。それは子供たちが留学した同年1995年で、移住と同時に購入した自宅の敷地が広く、とりわけ裏庭に繋がるマングローブには自生のマヌカ樹林が多かったこともあり、まずはここで実験的に養蜂を始めた。

間もなくして、マヌカハニー研究者の第一人者で、国立ワイカト大学生物化学研究所教授の故ピーター・モーラン博士を訪ねることになり、教授の研究室でこの蜂蜜の抗菌活性が如何ほどのもであるかを実験データを基に如実に見せつけられた。
その時の余りにも大きなショックは言葉では到底表現しきれないほどの驚きであった。学生時代に多少の分子生物学に興味を持ったとはいえ、天然の活性物質とはここまですごいものなのかと感服した次第である。モーラン博士はウェールズ州出身の英国人で、ニュージーランドに移住後、早くからマヌカハニーの研究一筋に活躍され、課題はこの蜂蜜中に含まれる抗菌物質の独立単離が目的で、殆どの生涯を費やされた。以下はマヌカハニーの活性物質について当時の同博士の私宛のメッセージだ。

We have not yet isolated the component in a pure form to allow its identification. All I know so far is that it is a small molecule 9 around Mr 200,very hydrophilic.

(我々は今のところ活性物質を純粋な形で取り出す事ができていなく、それがどのような物質か明確でないが、非常に親水性が高い小さな分子でmolecule 9aroundMr 200付近であると推定している。)

しかしながら、非常に残念なことだが結局発見に至ることなく、他国の研究者にその座を明け渡すことになる。そして、しばらく後の訪日中、当時、浜松市にあった事務所に突然、興味深い電話が入ったのを今でもよく覚えている。それは大手のヨーグルトメーカーの研究員とのことで非常に礼儀正しい印象があった。 「実は当社はピロリ菌除菌目的で活性力がある商品の開発中で、御社のところのマヌカハニーの販売サイトを見て、現在自分たちが開発中の製品は将来、唯一競合するとしたら御社の製品しかない。また、私どもも同様に御社サイトにあるように『molecule 9aroundMr 200付近』という記事に同様な研究成果を得ることができている」とのことだった。

当時はその抗菌活性物質が不明であり、大きな謎でもあった。マヌカハニーはモーラン教授の考案した試験方法でその活性度を計測すると、消毒に使われる殺菌剤のフェノール希釈液の何十倍の力があった。例えば医療機関で使われる病室の消毒液で2~3%、最も高濃度で排せつ物の滅菌に使われるもので6~7%のフェノール希釈液が使われる。とんでもないほどの抗菌活性が存在することに、いつしか私は、できるだけ高活性な天然生蜂蜜の生産に没頭するようになっていた。

当初の活性強度15+程度の物が最高値とされていたが、それでも病室消毒で利用されるフェノール消毒液の2~3%に対し5倍の強さがあった。(現在では活性強度39以上でMGO1050以上の蜂蜜採取とその製品化に成功している。この活性力はフェノール消毒液の2~3%の少なくとも13倍以上となる*)
*フェノール消毒液の39%以上を服用したらそれこそ大変なことになってしまうが、マヌカハニー特有の機能性成分のメチルグリオキサール(以下本文略MGO)の作用機序(ここでは殺菌、静菌のメカニズム)は消毒液などや抗生剤・抗生物質のそれとは全く異なり、有用細菌類には毒として作用せず、酸性環境で成育する有用細菌はMGOの毒性を感知しない。それはMGOを乳酸に分解してしまう酵素を産生でき、一方、アルカリ環境で成育する有害菌類はこの酵素の産生が少ないとされている事からMGOは鋭い選択毒性(本文では有害菌・ウイルス病原体・異常細胞のみに毒として働く)があるとされている(参照→https://www.strongmanukahoney.co.nz/nzmg.htm

そして、就寝前と寝起きに、この蜂蜜とプロポリス抽出液の混合を少量食べることによる両者の相加・相乗効果で、学生時代にアマゾンの森でダメージを受けてしまった身体の後遺症は完全に回復していった。それまではいつも家内にマッサージをしてもらわないと腰をはじめ全身のだるさで眠りにつくことさえ大変だったし、運転中の睡魔は本当に危険であり辛かった。己で採取した蜂蜜を食べることによって私の身体は見る見るパワフルになっていくのが手に取るように分かった。そして考え方にハッキリ変化が起き、どんな難しいことでもできるというか、すべてに対して肯定的で、また、他人に対しては寛容的になっていったこともはっきり実感している。
歯医者に行けば「口内が非常にきれいで歯垢、歯石など皆無、歯周病とは無縁だ」と褒められ、友人の付き合いでカイロプラクティックに行けば「とてもこの年齢とは思えない」と言われもした。風邪などもまったく引かないし、持病だったぎっくり腰もこちらに来て25年間全く出ていない。こうした身体の変化はあげたらきりがなく、家内はじめ家族全員が元気そのものである。こんなに素晴らしいものだから広く世に伝えたくなるのが人情だ。