ブラジル産プロポリス原料の真実 ep02. 生産地の大別
アマゾンとプロポリス原料は無関係
ブラジルはご承知のとおり、日本の23倍もある非常に広大な国で、熱帯雨林から降雪地域までを有し、9ヵ国、1植民地と国境を接する広大な大陸です。そして大別しますとアマゾン河、サンフランシスコ河それにパラナ河の3水系地域に分かれます。
アマゾン河水系は熱帯雨林気候で、この地方での養蜂は気候的に適さず、養蜂産品の生産が僅少です。その主な要因として同地域は太古、海であったため、その広大な面積の大半の海抜は50m以下と低く、年間の降雨量が非常に多いことなど、高温多湿のもとでのはちみつ生産はみつばちが花蜜中の水分を充分に蒸散させ完熟蜜としての生成ができ難いこと、したがってこうした水分の多いはちみつは醗酵しやすく保存が困難であり、かつ、この地域は消費地から遠方に位置することや輸送効率など条件が良くなく、商品としての出荷能率が劣り、コスト面でも競争力が極度に落ちます。また、高温多湿下での面布をまとった採蜜作業などは大変な苦痛でもあり、これら養蜂に不利な条件が集中した当地域での生産はサンフランシスコ、パラナの両水系地域と比較しその生産は皆無と言っても過言ではありません。したがいまして、はちみつ生産の副産物としてのプロポリス原塊の同地域での生産は限りなくゼロに近く、また高温多湿地帯では日中の温度変化も少ないことからみつばちがもたらすプロポリス量が少なく、生産の期待はでき難いこと、それに熱帯特有の植生からウルシ科や毒草類も多く、それらの成分がプロポリス原塊に混入する可能性が充分あり、この地域由来の原料は避ける必要があります。以上のことからアマゾン地域から産するプロポリス原塊は全くと言ってよいほど商業的に利用されておりません。日本ではよくアマゾン地域の自然環境とプロポリス原料の関係につき述べられていますが、こうしたことは大きな誤りでアマゾンと商業的に流通するプロポリス原料との関連性は全くありません。(後述⇒日本のプロポリス専門家)
一方、サンフランシスコ河水系はブラジル中部高原地帯を源流とする国内を流れる最大の河川で、この地域は平均海抜600m~800mの高原地域に属し、内陸特有で昼夜の温度変化も激しく、比較的良い原料が採れますが、干ばつなど気象条件が不安定なため生産量に大きなむらがあります。しかし、同水系上流のバイア州南部から、ミナスジェライス州中部、エスピリットサント州の一部にかけての高原地域は非常に良い原料が安定的に採れます。また、パラナ河水系は南北に流れる広大な流域で、この地域はきわめて気候条件が良く、全般的に市場にも近く、盛んに養蜂が行われています。この河の下流はパラグアイ、ウルグアイを経てアルゼンチンのラプラタ河に通じます。北部サンパウロ州と南部ミナスジェライス州また南マットグロッソ州の一部に及ぶ広大な地域が現在日本向けに好まれて輸出されているユーカリ系原料の主要生産地です。
この他にパラナ州海岸山脈を経てリオグランデ・ド・スール州南部地方に至るアルゼンチン国境方面にかけての原料も捨てがたい良質品がありますが、起源植物が針葉樹を主体とした原塊が多く、レジン(ヤニ)の混入度が増すことやヨーロッパ系移民による1000群(巣箱)以上所有の大規模養蜂が多くなり、その飼育方法がかなり人工的になってきます。そして、この国全体から産するプロポリス原塊は大きくタイプ別に分類しても100種以上あり、それぞれ多種多様の特性を持っています。